英語が喋れないのに外資系に入社してしまうとどうなるのか?外資系人事が本音で回答
外資系転職が気になるけど、英語は苦手・・・
この場合に気になることの一つが、「英語が喋れない人が運よく外資に入りこめちゃった場合、どうなるのか?」です。
私は外資系の人事ですので、仕事柄、まさに「英語が苦手な人が外資に入っちゃった」というパターンを数えきれないほど見てきました。
今回は、英語が喋れない人が外資系に入社してしまうとどうなるのか、本音で回答していきます。
必要以上に厳し目にも言わないですし、入社してから困ってほしくはないので甘めにも言いません。現実を本音で語ります。
結論:何とかなる(※根拠あり)
結論から言えば、何とかなります。
とはいえ、テキトーに「何とかなるよ、だんだん上達してくると思うしさ!入っちゃった方が実地訓練にもなるし!」という感じで、軽く言っているわけではありません。
人事として英会話が苦手な外資系パーソンをたくさん見てきた経験から「外資で英語しゃべれなくても意外に何とかなりますよ、経験上」と言っています。
具体例もありますし、根拠(何とかなる理由)もありますので、続けて述べていきます。
具体例:外資にも英語しゃべれない人はめっちゃ多いので例を出す
理由に移る前に、具体例からいきましょう。
外資系企業の3大ジャンルと言えば金融、IT、医薬ですが、そのうちの医薬の話をします。
医薬業界で最も多い職種であるMR(※営業的な職種)の多くは、英語が喋れません。
新卒時から国内のお医者さんに営業をかけるのが仕事なので、必要ともしてません。
IT業界にもいたことがありますが、エンジニアの英会話レベルは高くないですし、まったく喋れない人も多いです。
(※グーグル・マイクロソフトクラスになるとほぼ全員が一定以上は喋れますが、全員ではないです。文系職種であっても英会話を全力で避けている人もいます)
また、「学歴なしでキャリアアップするなら外資系一択なワケ」でお話した通り、外資系は学歴をあまり重視せず、経験重視です。
英語力は学歴とある程度比例しますので(東大生は入学直後にTOEICを計測しても800~900ある人が多い)、学歴の高くない外資系では英語力もそう高くはないのです。
英語が喋れないのに外資系に入社しても何とかなる、3つの理由
英語が喋れないのに外資系に入社しても何とかなる理由は、以下の3つです。
- 外資系で英語を使う機会は思ったより少ないから
- 業務アサインは能力・スキルに応じて行われるから。英会話力も当然考慮される
- 何とかならないポジションには英語面接があるorビジネス英会話の実践経験が問われるから
それぞれ簡単に解説します。
外資系で英語を使う機会は思ったより少ないから
まず、「外資系で英語を使う企業、使わないで済む企業の特徴」に書いた通り、意外に英語を使わずに済む外資系企業やポジションは多いです。
以下のような条件を満たしていると、基本的には日本語で業務を行うことになります。
- 顧客が日本人または日系企業である
- 日本法人の規模が大きい
- 日本法人の歴史が長いか、日系企業を母体としている
- ジュニアなポジションである
実際、外資系にいても、毎日のように英会話が必要なポジションはほとんど見たことがありません。(役員クラスならありますが)
外資系で英語を使う機会は、社内ドキュメントなど「読む」に限っては結構ありますが、「話す」となると思ったより少ないです。
業務アサインは能力・スキルに応じて行われるから。英会話力も当然考慮される
当たり前のことを言ってしまって恐縮ですが、外資系でも業務アサイン(割り振り)は能力・スキルに応じて行われます。
例えば、以下のようなことはほぼ見ないはずです。
- まだ仕事の進め方が分からない新人なのに、重要なプロジェクトリーダーが任される
- 今まで経理一筋だったのに、スマホの回路設計を任される
英語もプロジェクトマネジメントや回路設計と同じ、一種の専門スキルです。
ですから、
- 英語が全く喋れないのに、英会話が必要な業務を任される
ということも、やはりミスマッチなので会社はやりたがらないわけです。
あなた自身がやりたがったり、自分では自信がなくても実際には結構喋れたりすれば任されますが、そうでなければ任されません。
英語が必須な業務や、グローバルプロジェクトの日本担当としての参加は、英語ができる人に割り振られますので、大丈夫です。
何とかならないポジションには英語面接があるorビジネス英会話の実践経験が問われるから
色々言われても、「でも英語が必要な状況に追い込まれたらどう責任取ってくれるの?」と思っている人もいるでしょう。
実際、外資系には、英会話が絶対に必要な仕事もありますし、その担当者を外から採用することもあります。
しかし、大丈夫です。
英語なしでは何とかならないポジションを採るときには、基本的には英語面接をします。
もしくは、ビジネスで英語を使った経験や、自信のほどをよくよく確認します。
これが行われていないのであれば、英会話なしでも何とかなるポジションなのです。
※ さすがに「本当はTOEIC300点なのに900点と言ってしまい、入社出来ちゃった」という場合、つまり嘘をついた場合には「ヤバい状況」になるかもしれないです。
英語が喋れず外資に入社した人の末路はこんな感じ
英語が喋れず外資に入社した人の末路が気になるという方もいるでしょう。
ここまで書いた通り、結論としては大丈夫です。その末路はこんな感じ(↓)になります。
- 普通に働けている。何十年も(英語がほとんど話せないまま)働いている人も多い
- 英語ミーティングでは基本的に黙ってる
- 英語プレゼンはほぼ担当しない。もし担当になっても読めばOK
- グローバルプロジェクトには(望まないと)アサインされない
- 出世は課長クラス、良くて部長クラスまで
- 努力して「英語できる人材」になる人もまあまあいる
外資系の出世には英語が必要なので、出世したい方は入社してから頑張ってください。
外資系では英語が出来た方がいいのもまた、事実です。(これは外資系に限らないですが)
まとめ
Q.英語が喋れないのに外資系に入社してしまうとどうなるのか?
⇒A.普通に仕事は出来ます。何十年も英語が喋れないまま普通に勤めている、という人もいます。